何度か当店にお持ち込みにてお買取りさせて頂いていたお客様より、お母様の老人ホーム入居に伴い、ご実家と別荘のお片付け中との事で今回、別荘にて保管されているお品の出張買取でご依頼頂きました。お母様は特に和骨董やイギリスアンティークがお好きだったようで、普段使いの器が古伊万里やオールドの大倉陶苑や深川製磁、古波佐見、100年以上前のブロカント系のイギリスアンティークの器などかなりの拘りを感ずる素晴らしいご趣味のお品ばかりで御座いました。当店と致しましても是非とも頂きたいお品ばかりで、しっかりとお値段お付けさせて頂き、お客様もご納得のお値段で満足のいったご様子で御座いました。遠方ですがご依頼頂き、貴重なお時間頂戴し誠に有難うございました。
【春海商店×バカラ ギヤマン切子器物 徳利】
“春海商店” × “Baccarat” / “Saint-Louis”
ギヤマン切子器物
特別注文金彩縁徳利二客
時代:大正期
内容:バカラ「青海波紋」、サンルイ「SAPHO/サフォ紋」
付属:春海商店銘入り桐箱
「春海商店」は1920年に大阪の茶道具・美術商の春海藤次郎が、初めて日本にバカラを輸入し、茶の湯や懐石の器を特別注文したことに始まります。
当時、ガラスの器を茶事に使うという発想は茶人たちは否定的でしたが、バカラの高い芸術性に魅了され、藤次郎と職人たちは見事な透明の茶器を作り上げ、次第に受け入れられるようになりました。その作品は「春海好み」と称され、特別な茶事、名だたる料亭に登場する名品となっています。2020年にはバカラより復刻版のハルミコレクションが発売されています。
バカラ「青海波紋」は日本の伝統柄、青海波紋をアレンジしたエッチングが入った焼付金彩のシリーズ。「千筋紋」よりも数の少ない希少紋。
サンルイ「SAPHO紋」は1900年初期に発売された、当時人気の高い花籠とリボンガーランドの装飾。華やかさのあるフランスらしいエッチングです。春海商店がサンルイに注文した品物は殆どなく、大変希少です。