前回ご紹介させて頂きました遺品整理に伴うお買取り内容より今回こちら2点の人間国宝作家のお品をご紹介いたします。生前、御祖父様が新進気鋭の現代作家達を応援するべくお求めになられていたとの事で、人間国宝認定前の作品も多々御座いまして、やはり国宝認定後よりは査定は下がる傾向に御座いますが、作品としては圧巻の物でありますし店頭販売には持って来いのお品で御座います。素晴らしい作品たちをお買取りさせて頂き有難うございました!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

【人間国宝『原 清』白線之酒盃】
1936年島根県生まれ。石黒宗麿、清水卯一と、近代鉄釉陶器を代表する2人の人間国宝に師事。1969年日本伝統工芸展日本工芸会長賞受賞。1980年埼玉県寄居町に居を移し、「鉄釉」で独自の世界を築く。2005年「鉄釉陶器」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に。当作品は人間国宝認定後の作品で御座います。国宝認定の「鉄釉陶器」がふんだんに盛り込まれた胴部分の艶のある黒鉄釉に白釉盛上線文が引かれた意匠が何ともモダンで味わい深い作品で御座いました。

【人間国宝『玉川 宣夫』金ケシ打出水指】
1942年新潟県生まれ。13歳で〈玉川堂〉5代目玉川覚平の養子となり、鎚起銅器の職人としての道を歩みながら、鍛金家・関谷四郎の内弟子となる。1982年「木目金花瓶」で日本伝統工芸展NHK会長賞。2010年重要無形文化財「鍛金」保持者(人間国宝)に認定。現在、日本工芸会参与、燕市文化財調査審議会委員。当作は人間国宝認定前の1998年五月会金工小品展出展作品で販売された希少作品。伝統の鎚目に流れる川のような胴部の金ケシ、圧巻の造形美の作品で御座いました。

人間国宝作家物は相場に基づきますが高く評価いたしますし新進気鋭の作家物でもデザインによっては高く評価いたします。有名無名問わずお品物を一点づつ拝見し評価いたします。是非とも「きのとり」をお試しくださいませ。