長年納戸に仕舞われていたお父様やご祖父様の代からのお品の遺品整理、納戸の整理で出て来られたコレクションの数々のお買取り査定でお伺いさせて頂きました。「リトグラフ以外の遺品だった掛軸や箱膳はどれも古く痛んでるから捨てようと思ってたけど、捨てるのに忍びなく、駄目元でお願いしてみた」との事で、確かにどのお品も経年劣化や染みが多かったですが全てお買取りさせて頂きました。査定金額としては数点はまとめてのお買取りや一点一点でのお値段も低くはなりましたがご依頼主様より「捨てなくて良かった」と喜ばれ、有難くお買取りさせて頂きました。
【丸山応岱 狗子図 江戸期 掛軸】
江戸中期~後期に活躍した「円山応挙」祖師の円山派の絵師と考えられていて詳細略歴などは不詳となっております。当作「狗子図(仮題)」は師である「円山応挙」の代表作、人気の「狗子図」を模し本人作と見紛う程の出来であります。寒空の冬景色に雪が桜の枝に積もる中、蕾がちょっとづつ芽吹き始め、その下で寒空の中でも元気にじゃれ合う狗子の図、何とも愛くるしく元気を与えてくれる作品。残念ながら掛軸本体の八双より上部が朽ち果てていたのか、ハサミで切り取られており、染み、焼けも複数有りました為、数千円単位でのお買取りで御座いました。状態が良ければ数万円はお付け出来るお品で御座いました。残念ですが希少な江戸期の掛軸、しっかりとお値段お付けさせて頂きました。
【司馬江南 軍鶏図 江戸期 掛軸】
江戸時代の浮世絵師、生没年不詳、略歴等不詳ですがおそらく江戸時代の絵師であり蘭学者である「司馬江漢」の門下門人であると推測される。作画期は文化から文政の頃にかけてで読本、狂歌本の挿絵などを手掛けており、泥絵も描いたといわれている。
【石井鶴三 東京驛夕景 昭和二年 版画】
1887(明治20)年に東京・御徒町の芸術家一家に生まれ、彫刻家でありながら、挿絵・版画・水彩・油彩・文化財修復・舞台美術等、多岐に渡る分野で活躍し、教育者としても長年後進の育成に努める。1905年18歳の時、創刊の雑誌『平旦』にウィリアム・ニコルソンの作品を模倣した自画自刻による木版画『虎』を掲載。1918年、日本創作版画協会を結成し1919年には木版画『日本風景版画集』第9集(東京近郊)を発表、1920年に木版画『日本風景版画集』第10集(日本アルプス)を刊行した。以降、日本版画協会の会長、理事長を務めている。1973(昭和48)年没。
日本の掛軸、版画等の美術品の多くの骨董的価値のあるお品は経年劣化が激しい物が殆どですが、価値が御座います。汚いからこれはゴミだろうと思われる方が殆どですが、諦めずに捨てずに是非とも拝見させてください。汚れていても驚くほどのお値段がお付けできるお品が多数御座います。骨董、古美術、掛軸、版画の査定、売却は是非とも「きのとり」をご用命くださいませ。